実践!女性のための美容&美肌雑学
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個人差もありますが、数年(概ね2~5年程度)で消えてしまうアートメイクとは違い、タトゥーや刺青は自然に消えることはないため、どうしても消したい場合は、医療機関で切除手術や医療用レーザーを使った除去治療を受けなければならないというのが昨今の常識ですが、わざわざ専門クリニックに足を運ばなくても、タトゥーや刺青を消すことができるアイテムがあるといいます。

それが〝タトゥー除去クリーム〟と呼ばれる商品です。

残念ながら、タトゥー除去クリームを製造販売している国内メーカーは今のところ存在しないため、その効果を試したければ、海外製品を取り寄せ(amazonなどでも取扱っている)なければなりませんが、クリームを使った除去法は、痛みもなく、おまけに費用も抑えられるということもあって、タトゥーに悩む人々の間では、どうやら思いのほか関心が高いようです。

除去クリームの不思議しかし、クリームを塗るだけで、本当に消えるのか・・・

正直、その胡散臭さに疑いの目を向けてしまう人も多いのではないでしょうか。

そこで、こんなはずじゃなかった!と後悔しないために、まずはタトゥー除去クリームとは、いったいどんな商品(特徴や問題点など)なのかを知り、その上で自分も試してみる価値があるかどうか、冷静にじっくりと検討されることをお勧めします。




コレだけは押える!タトゥー除去クリームの基礎知識

2013年春に発売された最先端の医療用レーザー〝ピコレーザー〟の登場により、従来マシンではどうしても消すことのできなかったタトゥー患者も希望が持てる(ピコレーザーの詳細についてはコチラの記事をどうぞ)ようになりましたが、その裏(?)でタトゥーに悩む人々の間で密かに話題となっているのがタトゥー除去クリームです。

といっても、タトゥーや刺青を消すとされる除去クリームは、実は10年以上も前から存在していた商品なので、知っている人からすれば、何をいまさら!と言いたくもなりそうですが、ここ最近、再注目されるようになったのには理由があります。

その理由というのは、2015年2月にブラジルのグローボ系列の経済情報サイト「ペケーナス・エンプレーザス・イ・グランヂス・ネゴーシオス」で紹介された記事で、カナダ東部のノバスコシア州にある州立大・ダルハウジー大学で病理組織学の博士課程を学んでいた当時27歳の学生、Alec Falkenham(アレック・フォーケナム)氏が、タトゥーを徐々に薄く消し去る外用クリームを開発したというのです。

海外ニュース今回、開発したという除去クリームは、使い方こそ、従来のクリームとそう変わらない(つまり、患部の皮膚に塗るだけ)ようですが、これまでにない最新テクノロジーを用いているらしく、この製品が世に出回るようになれば、これまでのタトゥー治療の常識が大きく変わるとさえ言われています。

では、いったいどんな仕組みで消すクリームなのか、さっそく説明していきたいところですが、除去クリームの仕組みを理解するには、なぜタトゥーが皮膚から消えないのか、その仕組みを知るとイメージしやすくなるので、まずはタトゥーについて、以下の点を押えておいてください。
タトゥー(刺青)が消えない理由
人の皮膚は、ざっくりいうと、表皮・真皮・皮下組織の3層構造となっていますが、一般的にタトゥーと呼ばれるものは、表皮の下にある層、つまり、真皮層に達する深さまで針を刺し、皮膚に定着(沈着)しやすい成分のインクを染み込ませます。

この真皮層に定着させるという行為が非常に重要なのですが、その理由はこうです。

表皮の構造をさらに細分化すると、最下層(真皮と区別する層)に基底層と呼ばれる層がありますが、この基底層では細胞分裂が盛んに行われており、約2週間程の時間をかけて、徐々に上層(基底層→有棘層→顆粒層→淡明層→角質層)へ押し上げていきます。

皮膚の構造イメージすると、上に移動してきた層は最終的に垢やフケとなって皮膚から剥がれ落ちてしまうため、ごく浅い表皮にインクを染み込ませた場合は、比較的、早い段階でインクが消えてしまう(薄くなる)ことになります(アートメイクがいい例)。

ところが、表皮よりも下にある真皮は、基底層に比べると、新陳代謝のスピードが圧倒的に遅い(5年以上)ため、タトゥーや刺青と呼ばれるものは、そう簡単には消えないことになります。

そのため、真皮層に染み込ませたタトゥーインクの色素をどうしても消したい場合は、通常、患部の皮膚を直接切り取る切除手術か、医療用レーザーを使った強制的な治療のどちらかを選択しなければなりません。
皮膚切除 レーザー治療
切除縫合や皮膚移植といった、文字通り患部(タトゥー)の皮膚を直接切り取る外科手術をはじめ、剥削法(アブレーション)といって患部の皮膚表面を医療用レーザーで削り取ってしまう方法もある。 患部の皮膚を強制的に切り取るのではなく、特定の色素にのみ反応するレーザーを照射して、刺青の染料を破壊する方法。近年、最新の医療用レーザー(ピコレーザー)が登場したことで、その除去効果に注目が集まっている。


最新のタトゥー除去クリーム:BLTRとは…
では、Alec Falkenham氏が発明したとされる除去クリーム(商品名:Bisphosphonate Liposomal Tattoo Removal(ビシフォスフォスネイト・リポソーム・タトゥー・リムーバル)の頭文字を取って、BLTRと略すらしい…)は、いったいどのようにしてタトゥーを消すのか、その仕組みについて説明しましょう。

切除手術やレーザー除去治療を受けた者にとっては、クリームを塗るだけで、なぜタトゥーが消えるのか不思議でならないという方も多いと思いますが、そのカギを握っているのが〝マクロファージ〟と呼ばれる細胞です。

白血球の一種であるマクロファージ(Macrophage)には、大きな(マクロ)細胞を食べ尽くす(ファージ)という意味があるように、体内に侵入してきた病原菌や異物を細胞内に取り込みますが、皮膚に染み込ませるタトゥーのインクも基本的に異物として吸収してしまいます。

※補足:マクロファージが処理しきれない病原体(レジオネラ菌、赤痢菌、チフス菌など)も存在します。

マクロファージに取り込まれたインクに対する反応は大きく2つあり、ひとつは免疫細胞が集中しているリンパ節に運ばれ、体外から侵入した異物を排除してしまうタイプ、もうひとつは、細胞内に取り込んだまま、皮膚の奥に留まるタイプです。
マクロファージの作用
そのため、後者(反応)のタイプが、皮膚に色素を定着させタトゥーとして残りますが、今回、Falkenham氏が発明したとされる除去クリームは、どうやらこのマクロファージの作用に着目したクリームのようです。

つまり、簡単に説明すると、皮膚の奥に留まってしまった細胞をリンパ節に運び、体外に排出することでインクを除去します。

除去クリームには特殊なリポソームを含ませているため、肌の深部に成分が届きやすくなっており、マクロファージがリポソームだけでなく、皮膚に沈着したインクを取り込んだ細胞もろとも異物と見なすことで、リンパ節に運ぶよう働きかけ、最終的に体外に排出することが理論上は可能であるとFalkenham氏は主張しています(マクロファージを増殖させるような作用があるらしい説明も見られますが、いかんせん現時点ではその辺の情報が乏しいため、正確な仕組みは今後の報告を待つ必要がありそうです)。

※ リポソームとは、細胞膜と同じ材料で作られた小さな気泡(袋)のことで、がん治療をはじめ、様々な病気の治療や化粧品などで利用されています。
BLTRの仕組み
もし、この技術が理論上通り作用するとしたら、痛みはもちろん、肌を傷つけることなくタトゥーを消すことができるため、今後の治療法が大きく変わることが予想されますが、懐疑的な意見(たとえ効果があったとしても、それは多少色を薄くすることができる程度が限界ではないか…など)を持つ医療専門家も少なくありません。

※動物(マウスや豚)実験では、それなりの効果を上げているようですが、人体実験が順調に進んでいるのかどうかは現在のところ、不明…

いずれにせよ、BLTRは、まだ開発途中であり(最新情報によると、2016年5月に商品化する世界的な権利のライセンスを取得したとか…)、市場に出回るようになるのはまだ先のようなので、今後の動向に注目したいところです。



既存のタトゥー除去クリームの効果と問題点

国内でタトゥー除去クリームを製造販売しているメーカーやショップはないということもあり、日本では馴染みが薄いかもしれませんが、 海外では10年以上前から販売されているため、オンラインショップ(amazonなど)を通じて、既存の商品を入手することは可能です。

そこで、何種類かある海外製品の中から、比較的、人気の高い除去クリーム『Tat B Gone』と『Tattoo-Off』の2点について、少し触れておきましょう。

米国製の除去クリーム『Tat B Gone』と『Tattoo-Off』は共に米国製の製品で、海外で販売されている既存の除去クリームの中では、比較的、効果が高いと言われている代表的な商品(市販の除去クリームのパイオニア的な存在らしい…)です。

※補足:商品自体は海外amazonや米国製タトゥー除去クリーム専門店:タトゥーグッバイなどを通じて購入できます。

使用方法は、どちらも患部にクリームを塗るだけですが、『Tat B Gone』が2ステップシステム、『Tattoo-Off』が1ステップシステムとなり、どちらかというと『Tat B Gone』の方が手間のかかる除去クリームと言えるでしょう。
商品の特徴
Tat B Gone マルチカラーに対応した除去クリーム。どちらかというと『Tattoo-Off』よりも除去効果が高いらしい…
Tattoo-Off 特に黒色のタトゥーに効果を発揮するとされる除去クリーム。『Tat B Gone』と比べると皮膚に優しい(負担が少ない)とか…
両者の大まかな特徴は上記のとおりで、いずれの商品もクリームに含まれる特殊成分が皮膚内部に浸透し、インクを除去するらしいのですが、肝心のその仕組みや配合されている有効成分についての詳しい記述(説明)は、少なくともタトゥーグッバイのサイトでは触れていません(いろいろと調べてみましたが、同商品に関する詳しい情報を提供しているサイト自体、国内にはなさそう)。

※補足:既存の除去クリームは、基本的に肌のターンオーバーによる皮膚の生まれ変わりを利用したものらしく、表皮よりも下層(真皮、皮下組織)にタトゥーインクが定着している場合は、あまり効果が期待できないと考えられます。なお、『Tat B Gone』や『Tattoo-Off』には、安全性に疑問が残る成分(美白効果の期待できるハイドロキノンやクロマブライト、除去クリームに用いられることが多い皮膚を腐食させる成分〝トリクロロ酢酸〟など)は配合していないようですが、ではいったいどんな成分が配合されているのかについてはよくわからない…

では、ダメもとでお試し品として販売されている商品を試してみるという選択肢もありますが、そのお試し品というのが、なかなかの高額(約2万円 / 2ヵ月分)で、まったく効果がなかった場合のことを考えると、気軽に買えそうにないと躊躇してしまう人がいてもおかしくはありません(もし、商品に自信があるなら、使用者はリピートするはずなので、価格はもう少し押えられるような気もするのですが…)。

海外で生産終了することなく、10年以上販売し続けている商品なので、多少効果はあるのかもしれませんが、いまだ切除手術や医療用レーザーに取って代わる有効な治療法が報告されていない(驚くほど効果があったとコメントしている体験者ブログなども見当たらない…)ことを考慮すると、従来からある除去クリームに過剰な期待はしない方が良いのかもしれません(もし効果があったとしても、おそらくインクが皮膚のごく浅い層に沈着していたものではないかと考えられます)。

そのため、BLTRに期待したいところですが、まだ商品化されていない以上、どうしてもタトゥー(刺青)を消したい場合は、専門クリニックで行っている切除手術やレーザー治療を検討(ただし、それでもインクの原料や深さによって、必ずしも綺麗に消えるとは限りません)。



掲載:2016.11.13